歴史問題の和解を考えるシンポジウム
―市民の活動と行政との協働をめぐって
2020年2月29日(土)
 
【資料・文京洙】 【資料・三浦知人】 【資料・浅川保】
 
【日時】 2020年2月29日(土) 14時~17時30分

【場所】 東京大学駒場Iキャンパス 18号館ホール
アクセスはこちら  18号館地図はこちら

【プログラム】 第一部 講演
講師:文京洙(立命館大学国際関係学部・特任教授)
演題:済州島四・三事件 過去清算と和解をめぐる市民社会、行政、国家イデオロギー

第二部 パネルディスカッション 市民の活動と行政との関係の実情と課題
登壇者:
三浦知人(社会福祉法人 青丘社・事務局長)
岩間敏明(特定非営利活動法人 花岡平和記念会・事務局長)
浅川保(NPO法人 山梨平和ミュージアム・理事長)

【主催】 科研費・新領域「市民による歴史問題の和解をめぐる活動とその可能性についての研究」、代表・外村大(東京大学大学院総合文化研究科)

【共催】 東京大学大学院総合文化研究科グローバル地域研究機構韓国学研究センター

*ポスター(QRコード付き)

【参加手続き】 参加費無料、事前参加登録は以下よりお申込みください。

・事前参加登録ウェブフォーム(受付回答なし)

【開催の趣旨】
 戦争や内乱での人命被害、植民地支配のもとでの他民族への抑圧や、独裁政治での弾圧などに起因する「歴史問題」は、今日、世界的に様々な葛藤を呼び起こしています。周知のように、日本でも近隣諸国との間で「歴史問題」を抱えています。
 そうしたなかで、被害者の救済や、平和や人権尊重の新たな歴史理解を共有し、関係者の「和解」に近づけるための市民の活動が様々に展開されてきたことも事実です。そうした活動は、個々人の自発的活動として開始され、労力や財源、活動のためのスペースの確保等々も、行政の援助を受けることなく進められることが多いようです。
 しかし、「歴史問題」にかかわる史実の究明や、被害者の救済を進め、社会集団間の葛藤を解きほぐしていくためには、行政の施策や協力が不可欠であるケースもあります。また、行政当局による公的メッセージ、被害者の追悼や名誉回復のための行事、記念施設の造成等は、歴史問題の「和解」のためにたいへん重要な役割を果たします。さらには、そのような施策に市民が協力することが、大きな効果を上げることにも注意すべきでしょう。ただし、その一方で、行政が取り組むことが難しい領域、市民が独自で行うべき活動もあります。
 そうしたことを踏まえ、今回のシンポジウムでは、歴史問題の「和解」のために、行政がするべきことは何か、市民と行政との協力の望ましい形はどのようなものか、などについて、考えていきます。そのために、韓国の済州島4・3事件※の真相究明や被害者救済に向けた市民の活動と行政の取り組みについて、文京洙氏の講演ののち、在日コリアンと日本人市民との多文化共生の促進や中国人強制連行の追悼・史実の継承、地域の平和博物館の運営など、様々な現場で取り組んでおられる市民をお招きして、パネルディスカッションを行います。
 歴史問題の「和解」に取り組む市民のみなさん、研究者をはじめとする、多くの方々のご参加を呼びかけます。

※1948年、南北に分かれた朝鮮の独立国家の建設に反対し、済州島では左派系政治勢力が武装闘争に立ち上がった。彼らの山中でのゲリラ活動が続く中で、軍や警察による、一般住民への虐殺を含む過剰弾圧が行われた。この問題は長年、タブー視されていたが、90年代以降の民主化の中で真相究明が進められ、被害者の救済、名誉回復、国家の謝罪が勝ち取られた。